社会保険体制

ノーマライゼーションの枠


 サービスハウスは、60年代に種子が蒔かれ、70年代から80年代にかけて花咲いたノーマライゼーションの典型と私は見ている。住宅地域の真ん中、交通の便、買い物の便、図書館も医療センターも近い。
そんなたくさんの種類の鼻が咲いているスウェーデンという名の花壇である。
 日本ではこの種の住宅なら当然ケア付きと思うようだが、ケアの必要な人は一般にヘルパーを頼むのと全く同じように頼むことになる。初めからケアがついているのではない。建物にしても、普通のアパートと見かけは代わらない。住宅の内部が気をつけて観察すればいくらか違っている。緊急時の連絡ベルが、枕元やトイレ、キッチン、玄関ホールや居間についていること、24時間にわたって水洗トイレの水が使用されていない場合、建物内にある管理室のパネルに赤ランプが点滅するシステムがある程度である。
床の上に倒れたまま何日もとか、ベッドで意識不明とかの心配をしなくてもいい。老人特有の不安感が少なくなり、安心した生活ができるサービスハウスへの入居希望は多い。
 サービスハウスの名のとおり、建物内には住宅のほかに種々のサービス施設があって、地域一体の一般住宅の老人も利用できる。作業療法を兼ねたホビーの部屋には、織物室、ミシン室、機械工作室、染色室、陶芸室などがあって、それぞれに指導員がいる。
リハビリ兼体育室は、土、日には老人たちのダンスパーティも開かれる。
 この住宅ではシャワーが設備されていてバスタブはないが、風呂に入りたい人のためには浴室が別にある。バスルームは2種類あって、介護なしで入浴できる人の物と、介護付きで利用する物の両方だ。
 洗濯室もある。全自動の洗濯機、乾燥機、シーツ伸ばし機、アイロン、アイロン台などが並んでいて使用料はいらない。ほかにもソシアルワーカーのオフィス、地域住民と交流の場を兼ねている市立図書館の分室、プールやレストランがある。


ドイツの実験―公的介護保険


 ドイツで今年から大きな実験が始まった。それは、公的介護保険と呼ばれる制度である。
 簡単にいえば、医療保険の介護版。国民や企業が介護保険料を支払う代わりに、介護が必要になった際、介護サービスや介護手当が受けられる。日本の厚生省も1997年度からの導入をした。
 ドイツでは1月からすでに介護保険料(月収の1%を労使が折半)の払込が始まり、4月から在宅サービスや介護手当の給付がスタートした。
 介護手当は、介護の必要度に応じて3段階に分けられる。中度(1日1回介護を要する)の場合は、日本円で月給約5万円、重度(1日3回介護を要する)場合は約10万円、最重度(24時間付きっ切りで介護を要する)の場合は約13万円だ。この介護手当は高齢者本人が受け取り、介護する家族に支払う形となる。
 今まで在宅介護といえば、家族が無償でするのが当たり前であった。家族介護がれっきとした労働と評価され、介護手当が出るだけでなく、労災の対象を社会的労働ととらえ、その介護費用をみんなで広く薄く負担しようというのが、公的介護保険の画期的なところである。


障害を持つ米国人法


・従業員15人以上のすべての事業所は、障害ゆえの雇用の差別をしてはならない。
・公的機関による鉄道、バスは新しい車両を購入する場合はリフトを設置するなど、車椅子の障害者が利用できるようにする。
・通勤電車には、車いすの障害者が利用できる車両を、5年以内に全列車に1両設ける。
・主要駅はエレベーターを設置するなど、3年以内に改造する。
・3階建て以上の建物、1フロアの面積270u以上のホテル、レストラン、バー、ショッピングセンター、学校、病院などはエレベーターを設置する。
・裁判所はこれらの違反を認めた場合、初回は5万ドル未満、2回目以上は10万ドル未満の反則金を科することができる。
ADA(Americans with Disablities Act)
米国障害者差別禁止法のことで、1990年7月から実施された。心身障害者への差別を解消し、健常者と同等の平等な機会を与えることをめざした法律である。